犬幸堂KENKOUDOU

SCIENCE

犬は表情で気持ちを伝えている?東大研究が示した“好き”のサイン

犬は表情で気持ちを伝えている?東大研究が示した“好き”のサインのアイキャッチ画像
峰村敦子(犬幸堂代表|フードコーディネーター・ペットフーディスト)
3分で読めます

この記事でわかること

  • 「犬は表情で気持ちを伝えている」ことを示した東京大学の研究(2026年発表)の内容
  • 犬が“好きなもの”を見たときに現れる、口元・耳・舌の具体的な動き
  • 表情の観察が、愛犬の体調変化への気づきにつながる理由

「うれしそうな顔をしている」「なんだか不安そう」——犬と暮らしていると、言葉では説明できなくても、そう感じる瞬間があります。犬の表情から気持ちを読み取るその感覚は、“気のせいではない”ことが、研究でも示され始めています。

東京大学の研究——犬は“好き”を顔に出していた

2026年1月、東京大学大学院農学生命科学研究科などの研究グループは、犬が好きなもの(おやつや飼い主など)を見たときに示す表情を、飼い主が自宅で実施できる行動試験によって観察し、共通する顔の動きを同定したと発表しました。

イヌが好きなものを見たときには「唇の分離」「顎の下落」「舌出し」「耳の内転」という共通した動きが、雌雄ともに現れた。

東京大学大学院農学生命科学研究科 プレスリリース(2026年1月)

さらにオスでは、「上唇の挙上と鼻のしわ寄せ」「下唇の下落」「唇なめ」「鼻なめ」という4つの動きも加わり、オスとメスで表情の出方に違いがあることも示されました。つまり犬は、感情を“表情”として表現している可能性がある——私たちが日々感じてきたことが、科学の言葉で裏づけられ始めているのです。

思い返せば、私たちは毎日その表情を見ている

ごはんを待ちきれない顔。散歩の気配を察した瞬間の目の輝き。叱られた時の少し気まずそうな表情。安心しきって眠る穏やかな顔。

犬は言葉を話せません。けれど、毎日懸命に感情を伝えています。目や耳、口元——そのすべてを使って、私たちに語りかけています。研究で示された「唇」「顎」「舌」「耳」の動きは、まさに飼い主が毎日見ているあの顔そのものではないでしょうか。

表情は「かわいい」だけじゃない。体調のサインでもある

犬の表情は、ただ“かわいい”だけではありません。嬉しい。安心している。不安。寂しい。そして時には、体調の変化さえも表れていることがあります。

  • 目に力がない、目やにが増えた——体調不良や目のトラブルのサインかも
  • 口元をしきりに気にする、よだれが増えた——口腔内の痛みや吐き気のサインかも
  • 耳を伏せて表情が硬い——不安やストレス、痛みを我慢しているサインかも

忙しい毎日の中では、つい見過ごしてしまうこともある。けれど、表情の変化に気づけるのは、毎日その顔を見ている飼い主だけです。

いちばん見たいのは、夢中で食べるあの顔。

「唇の分離・顎の下落・舌出し・耳の内転」——その表情、ご褒美の一皿で。

その表情を、見逃さないでほしい

犬の表情を見ることは、特別なトレーニングが必要なことではありません。ごはんのとき、散歩のとき、眠る前。いつもの暮らしの中で、ほんの少しだけ長く、顔を見る。それだけで気づけることが、きっとあります。

その表情を見逃さないでほしい。それは、大切な家族からの小さなメッセージだから。

まとめ

  • 東京大学の研究グループが、犬が好きなものを見たときの共通した表情変化を同定(2026年発表)
  • 「唇の分離」「顎の下落」「舌出し」「耳の内転」が雌雄共通のサイン。オスではさらに4つの動きが加わる
  • 表情には感情だけでなく、体調の変化が表れることもある
  • 毎日の暮らしの中で顔を見る習慣が、小さな変化への気づきにつながる

よくある質問

Q.犬が「うれしい」ときの表情には、どんな特徴がありますか?+

東京大学の研究グループの発表では、犬が好きなものを見たときに「唇の分離」「顎の下落(口が開く)」「舌出し」「耳の内転」という共通した動きが見られたとされています。日常の感覚でいえば、口元がゆるんで耳がやわらかく動く、あの表情です。

Q.犬の表情から体調不良に気づくことはできますか?+

表情だけで病気を判断することはできませんが、「目に力がない」「口元を気にする」「表情が硬い」などの変化は、体調不良のきっかけに気づく手がかりになります。食欲・元気・便の状態などとあわせて観察し、気になる変化が続く場合は獣医師に相談してください。

参考文献・出典

  1. イヌが好きなものを見たときに示す表情の同定東京大学大学院農学生命科学研究科(2026年1月20日) (2026) [リンク]
著者

WRITTEN BY

峰村敦子

犬幸堂代表|フードコーディネーター・ペットフーディスト

「愛犬と家族の、特別な時間を一皿に。」鹿沼和牛のメインディッシュから、健康を支える焼菓子まで。フレンチシェフと共に、妥協のない「犬の美食」をプロデュース。専門知識に基づいた、内側から輝く食の知恵を毎日お届けします。

たまにだからこそ、本物を。

愛犬へのご褒美に、犬幸膳を。

SHARE THIS ARTICLE