この記事でわかること
- ✓季節の変わり目・梅雨どきに犬に出やすい「小さな不調のサイン」
- ✓湿気・食事・観察——今日からできる梅雨の養生3か条
- ✓夏本番に向けた、エアコンだけに頼らない暑さ対策の考え方
今年は「もう梅雨入りしたのかな?」と思うような雨の日が続いたかと思えば、翌日は夏のような暑さ。梅雨入り前後のこの時期は、犬の体調管理がいちばん難しい季節かもしれません。近年は季節の移り変わりがわかりにくくなり、気温差や湿度の変化に身体がついていかないと感じる人も多いのではないでしょうか。
なんとなく身体が重い。食欲がわかない。疲れが抜けない。——そんな声を耳にすることが増える季節です。では、一緒に暮らす犬たちはどうなのでしょうか。
言葉にできない、犬の「なんとなく不調」に気づく
犬は言葉で不調を伝えることができません。それでも、よく見ていると小さな変化が見られることがあります。
- いつもより寝ている時間が長い
- ごはんの食いつきが、少し違う
- 水を飲む量が減った(増えた)気がする
もちろん、すべてが季節の影響とは限りません。しかし、気温や湿度、気圧の変化——犬たちもまた、自分の身体で季節を感じています。気圧や気温の変化で自律神経のバランスが乱れ、だるさや食欲の低下が見られる状態は、正式な病名ではないものの「気象病」と呼ばれることがあり、獣医師監修の情報でも紹介されています。特にてんかんや関節炎などの持病がある子は影響を受けやすいとされます。
嘔吐や下痢をともなう場合や、食欲不振・元気のなさが数日続く場合は、季節のせいと自己判断せず、かかりつけの獣医師に相談してください。
梅雨は「皮膚・耳・食」のトラブルが増える季節
獣医師監修の情報によると、湿度の高い梅雨どきの犬には、大きく3つのトラブルが増えるとされています。
- 皮膚のトラブル——被毛の中が蒸れて皮膚のバリア機能が低下し、細菌やカビによる皮膚炎やかゆみが出やすくなる
- 耳のトラブル——特に垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすく、外耳炎が増える
- 食まわりのトラブル——フードや食べ残しが傷みやすく、器のぬめりが下痢・嘔吐の原因になることも
「うちの子が最近よく耳を掻く」「身体をしきりに舐める」——そんな行動も、湿気の季節のサインかもしれません。
今日からできる、梅雨の養生3か条
養生(ようじょう)
病気を治すことではなく、ふだんの暮らしの中で身体をいたわり、健やかな状態を保つこと。特別なことではなく、毎日の小さな積み重ねを指します。
其の一:湿気をためない環境をつくる
獣医師監修の情報では、犬にとって快適な湿度は45〜65%程度が目安とされています。梅雨どきはエアコンの除湿モードや除湿機を上手に使い、寝床まわりの風通しを保ちましょう。雨の日の散歩のあとは、身体をしっかり乾かすこと。特に耳のまわりは外耳炎予防のため、丁寧に水気を取ってあげてください。
其の二:食事まわりを清潔に、新鮮に
湿度と気温が高いこの時期は、食べ物が傷みやすくなります。食べ残しはすぐに下げる。水の器は毎日洗う。フードは密閉して保存する。当たり前のようでいて、忙しいとつい後回しになりがちなことこそ、梅雨の養生の基本です。
食いつきが落ちたときは、フードを人肌程度に軽く温めて香りを立たせてあげるのも、ペットフーディストとしておすすめしたい工夫のひとつ。犬は香りで食欲が動く動物です。
其の三:「小さな変化」を見る習慣を持つ
いちばん大切なのは、毎日のなかで変化に気づけることです。「食べない=わがまま」と決めつける前に、確認したいポイントがあります。
食いつきが落ちたときのチェックリスト
- 水は飲めているか
- 元気はあるか(散歩・遊びへの反応)
- おやつは食べるか
- 急な環境の変化はなかったか
- 器や食べる場所が変わっていないか
おやつは食べるのにごはんを食べない、というときは緊急性が低いことが多い一方、おやつにも反応しない・水も飲まないときは早めに受診を。「いつもとの違い」を知っているのは、毎日いちばん近くで見ている飼い主さんだけです。
夏に向けて——エアコンだけに頼らない暑さ対策
今年の夏も猛暑になると言われています。この時期になると犬の熱中症対策の記事をよく目にしますし、電気代も気になるところです。
環境省も、ペットの熱中症予防を呼びかけています。犬は密な被毛に覆われ、人より体高が低いぶん地面からの照り返しを受けやすい動物です。散歩は早朝や夜の涼しい時間帯に。新鮮な水をいつでも飲めるように。そして、わずかな時間でも車内に残さないこと。
エアコンも大切。でも、それだけではなく、その子が少しでも快適に過ごせる方法を探してあげることも大切なのかもしれません。ひんやりした床で伸びるのが好きな子、風の通り道で寝るのが好きな子——「今日は元気かな」と気にかけるまなざしこそが、いちばんの暑さ対策だと私たちは思っています。
まとめ
- 季節の変わり目は、犬にも「なんとなく不調」が出やすい。寝る時間・食いつき・飲水量の小さな変化がサイン
- 梅雨は皮膚・耳・食まわりのトラブルが増える季節
- 湿度45〜65%を目安にした環境づくり・食事まわりの清潔・観察の習慣が養生の基本
- 夏本番に向けて、エアコンだけに頼らず「その子に合った」暑さ対策を
※本記事はフードコーディネーターおよびペットフーディストとしての経験と、一般公開されている獣医療情報を参考に作成しています。体調不良が続く場合は、かかりつけの獣医師へご相談ください。
よくある質問
参考文献・出典
WRITTEN BY
峰村敦子
犬幸堂代表|フードコーディネーター・ペットフーディスト
「愛犬と家族の、特別な時間を一皿に。」鹿沼和牛のメインディッシュから、健康を支える焼菓子まで。フレンチシェフと共に、妥協のない「犬の美食」をプロデュース。専門知識に基づいた、内側から輝く食の知恵を毎日お届けします。



